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執筆者の写真BLACKSMITHNAGOYA 1

Welding in the dark Factory



BLACKSMITH Co.

FACTORY

AM3:54

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確かまだ学生でバイクはあったが車の免許すら持っていなかった頃の話。

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とあるHOT RODを扱うアメ車屋を初めて訪れた日の事。

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その日は自分なりに気合いを入れて少し緊張しながらその店に向かった記憶がある。

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バイクを店の前に停める勇気は無く、200メートル先の路地に停めて歩いて店に向かうと。なんと...やってない?!

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昼間なのに電気が点いてなく薄暗い。

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折角気合入れて遥々来たのに休みか...なんて思ってたらシャッターは開いているので中に入ると、暗闇の奥の方からパチパチとtig溶接の小さな光だけが見えた。

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奥でHOT RODを作っていたのは雑誌で見た憧れのある人物だった。

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白熱球の付いた卓上ライト1つだけ点けた暗い工場内で黙々とHOT RODの部品を溶接していた。。

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その光景が途轍もなくカッコ良く見え、今だに鮮明に残っていて、自分も絶対あんなカッコいい職人になりたい。と強く思った記憶がある。

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それから10数年が経ち、今こうして曲がりなりにも職人っぽい仕事をしていて、、時折あの時見た光景の様に暗い工場の中で溶接をしてみる。

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しかしなぜあの時彼は暗闇のファクトリーで溶接していたのかは未だに分からない。

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暗闇の方が集中できるのか?暗い方が光がよく見えるからなのか、、、

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AM3時すぎ、私はいつもの様に近隣住民が寝静まる真夜中まで眠気を我慢しながらの溶接作業。

静まり返った暗い工場内で溶接をしていると、よくあの時のあのシーンを思い出す。少し憧れのあの人の様になった気分になり嬉しくなる。

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そして翌朝、明るい時間に改めて昨日の溶接箇所を見返すと、、その汚さに愕然とするのである。

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やはり作業場はLEDで明るい方が良いかもしれない。

そんなことは百も承知だが...

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今日もうちの工場はエジソン電球をつけて夜中まで作業をしている。

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2022/10/13 AM3:54

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